映画「ザ・キュアード」は、ゾンビがゾンビの記憶を持ったまま人間に戻れたとしたら、非感染者の人間との共存が出来るかと言うヒューマンホラーと言える映画です。
ゾンビ映画は溢れているものの、こうしたプロットのゾンビ映画は珍しいと言えるでしょう。
今回はThe CURED ザ・キュアード キャスト&スタッフ あらすじ|ゾンビの概念とは?などの情報をお届けしていきます。
ザ・キュアード【キャスト&スタッフ】
製作年:2017年 アイルランド、フランス
監督:デヴィッド・フレイン
脚本:デヴィッド・フレイン
製作:ロリー・ダンカン、エレン・ペイジ
製作総指揮:エイダン・エリオット、アーロン・ファレル、コナー・バリー、 ジョン・ケヴィル
音楽:ローリー・フライヤーズ、ナイオール・ケネディ
主演者:エレン・ペイジ、サム・キーリー、トム・ヴォーン=ローラー、
スチュアート・グレアム、ポーラ・マルコムソン
ザ・キュアード【あらすじ ※ネタばれあり】
CURED キュアード
ゾンビだった人間は社会復帰できるのか?ウイルスパニック終息後の社会を描いた斬新な作品。鬱々した展開と漂う緊張感、回復者と非感染者それぞれの苦悩や正義も丁寧に描かれていて見応えあった。感染、隔離、差別…今のご時世とリンクするものもあり考えさせられる秀作。面白かった pic.twitter.com/wqMgh7knWb
— しゃけ (@syakekasuflake) March 27, 2020
メイズウィルスによってゾンビが蔓延したアイルランド。
しかし、幸運なことにゾンビ治療薬が開発され、感染者のおよそ75%が完全治癒するようになります。
ゾンビから治癒した者は”キュアード”と呼ばれ、治癒しない者は”感染者レジスタンス”と呼ばれ、医療センターに隔離されていました。
そんなある日、キュアード達が社会復帰する中、同じく社会復帰をした中にセナン(サム・キーリー)と友人のコナー(トム・ヴォーン=ローラー)がいました。
そんなセナンは、医療センターで働き、リオンズ博士(ポーラ・マルコムソン)の助手をすることになりました。
一方で、キュアードは人間じゃないと言う反キュアード活動のデモがあちこちで起きていました。
その頃、政府は治癒しない感染者レジスタンスの処分方針を固めていました。
これに触発された市民達は一斉にキュアードを街から排除しようと運動をはじめました。
街では反キュアード勢力と、キュアード達で常に衝突が起こる状態になります。
その状態に、コナーはアルファ集会と言う組織を立ち上げ、反キュアードに対抗する勢力を作りました。
しかし、アルファ集会はテロリストの烙印を押されてしまいます。
そんな頃、セナンは自分がゾンビになった時のことを思い出していました。
自分をゾンビにしたのは噛みついてきたコナーだと言うことを思い出します。
そんな中、アビー(エレン・ペイジ)はアルファ集会所に行き、セナンに近付くなとコナーに言い放ちます。
家に帰ったセナンはアビーに自分が兄のルークを喰い殺したことを告白します。
それを聞いたアビーは激怒し、セナンを家から追い出します。
セナンはその後、コナーに呼び出されますが、セナンは刑事に連絡をしており、コナーを逮捕させようとしますが、コナーは刑事を殺し逃げ去ってしまいます。
その頃、アルファのメンバー達はリオンズ博士を伴い、医療センターに乗り込み、リオンズ博士を脅し、感染者レジスタンス全員の解放を成功させます。
街では、感染者レジスタンスと軍の戦いが激化していきます。
そんな中、アビーの息子キリアンが感染者レジスタンスに噛まれてしまう・・・・。
ザ・キュアード【ゾンビの概念とは】
今やゾンビ映画は枚挙に暇がないほど多く出回っています。
そもそも、いわゆる現在のゾンビ像は「モダンゾンビ」と呼ばれるもので、巨匠ジョージ・A・ロメロ監督の手によって世に広まったものです。
それ以前のゾンビと言えば、映画史上初めてのゾンビえいがと言われる「ホワイトゾンビ」に始まる”ブードゥー教のゾンビ”と言う概念が強かったのです。
そして、このモダンゾンビは更に2種類へと枝分かれしていきます。
1つはロメロが描いた「地獄がいっぱいになり地上に死者があふれる」と言うキリスト教に基いたゾンビ、そして最近ではこの「キュアード」の様に、厳密にはゾンビではなくウィルスに侵された”病人”と言う設定が加わりました。
この傾向は、下火になっていたゾンビ映画を再燃させた「28日後・・・」、「28週後・・・」に顕著です。
28日後などの「ゾンビ」は正確には「ウィルスで狂暴になった人」と言うだけで蘇った死者ではない訳です。
そうしたものまでゾンビ映画と分類していいのかは難しいところですが、「キュアード」のように”治療出来るかも知れない”と言うところがゾンビ映画のプロットに幅を持たせたと言うことも言えます。
ゾンビ映画もこうした違いに着眼して観ると、また違った見方が出来るかも知れませんね。
ザ・キュアード【まとめ】
今回はThe CURED ザ・キュアード キャスト&スタッフ あらすじ|ゾンビの概念とは?などの情報をお届けしてきました。
ゾンビになった人が治ると言うだけでも珍しいと言えるところを、その後の社会の在り方までを描く本作はホラーと言うよりヒューマンドラマに近いと言えるでしょう。
奇しくも現在の社会情勢に警鐘を鳴らす結果となった本作ですが、映画館で観賞すること自体も難しいと言う皮肉な結果となりました。
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